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News & Blog猫が好きな場所はどこ?原宿・渋谷の猫カフェ巡りで考えた、猫と暮らす家の設計
先日、原宿と渋谷の猫カフェを巡ってきました。
…と書くと、ただ猫に癒やされに行っただけに見えますが(笑)、今回はちゃんと仕事です。
現在、猫と暮らすお客様の住まいを設計しています。
猫と一緒に暮らす家を考えるなら、人にとって心地いいだけでなく、
**猫にとっても「好きな家」にしたい。**
そのために、猫がどんな場所を選び、どう過ごしているのか。
猫の目線で空間を観察しに行ってきました。

まずは店内をぐるっと観察
店に入ってまず目に入るのが、天井から吊られた鳥かごのような棚。
床は階段状に段差がつけられていて、猫も人も、好きな高さに腰を落ち着けられるようになっています。
よく見ると、鳥かごから猫のしっぽが垂れています(笑)
人の頭より上にも、猫の居場所がある。
猫カフェは、床だけでなく、
天井までの高さ全部を使って
猫の居場所をつくっている空間です。
## 猫にも「好きな場所」がある
しばらく猫たちを眺めていて気づいたのは、
猫によって、いる場所が全然違うということ。
窓際で日向ぼっこ

ロールスクリーン越しに日が差し込む窓際。
かごの中で丸くなる猫と、その横で手足を伸ばして寝転ぶ猫。
光と暖かさがある場所は、やっぱり人気です。
外の景色を眺める

床まであるガラス窓の前では、2匹が外をじっと見ていました。
窓の下は駅前の交差点。
行き交う人や車を、飽きずにずっと眺めています。
猫にとっては、窓の外がテレビのようなものなのかもしれません。
高いところから見下ろす

カウンターの壁の上に座って、店内を見渡す猫。
その上の鳥かごでは、別の猫がぐっすり眠っています。
手摺の上でくつろぐ

手摺の上に、黒猫がどっしり。
よく見ると、手摺の天端にはカーペットが張られています。
最初から「猫が乗る場所」として考えられているんですね。
椅子の下に隠れる

逆に、椅子とスツールの脚の間にもぐりこんでいる猫も。
人の足元の、少し暗くて囲まれた場所。
ここが落ち着くようです。
高いところ。明るいところ。外が見えるところ。狭いところ。
好きな場所は猫それぞれ。
その日の気分や時間帯でも変わります。
猫も人と同じで、「お気に入りの場所」を持っているんですね。
家の設計に置き換えると
では、これを住宅にどう取り入れるか。
猫カフェをそのまま家に持ち込むのではなく、
猫がその場所を好きな「理由」を、建築の形に置き換える。
これが大事だと考えています。
例えば、
窓際が好きなら
窓台の奥行きを25cmほどとって、寝転べる場所に。日当たりのいい窓なら、なお良し。
外を眺めたいなら
床に近い地窓を、猫の目線の高さに。
高いところが好きなら
壁にステップや棚を設けて、キャットウォークでつなぐ。
手摺の上が好きなら
手摺の笠木を幅広にして、猫が歩ける道に。
隠れたいなら
階段下やベンチ下に、猫だけが入れるすき間を。
そしてポイントは、
**選べる場所をいくつも用意しておくこと。**
どこを気に入るかは、実際に暮らしてみないと分かりません。
だから一つに決め打ちせず、性格の違う居場所を家のあちこちに散りばめておく。
猫が「今日はここ」と選べる家です。
キャットタワーは「家具」として考える
猫と暮らす家で、もう一つ悩ましいのがキャットタワー。
市販品は便利ですが、どうしてもインテリアから浮いてしまいがちです。
ところが今回巡った猫カフェでは、キャットタワーがむしろ空間の主役になっていました。
参考になったポイントを整理します。
① 素材と色をインテリアにそろえる

白と黒のアイアンの鳥かごに、丸いグリーン。
木目の壁パネルと合わせることで、猫の遊具というより、インテリアのオブジェに見えます。
アイキャッチのお店では、木を幾何学的に組んだ大きな「木」そのものがタワーになっていました。
② 照明と一緒にデザインする

ブロンズ色の鳥かご型タワーと、天井のリング照明が同じ色味でそろえられています。
照明とタワーがセットで、一つの景色をつくっている。
アイキャッチの木のタワーも、枝から無数のペンダントライトが下がっていて、タワー自体が照明器具のようでした。
③ 吊る・浮かせる
天井から吊るタイプなら、床を占領せず、掃除もしやすくなります。
ただし住宅で吊る場合は、天井下地の補強が必須。
ここは後から付けるより、設計の段階で計画しておきたい部分です。
④人の居場所と重ねる

円形のカウンターは、天板がカーペット張り。
人がパソコンを広げたりくつろいだりしているすぐ横で、猫がそのまま寝転がっています。

こちらは円形ソファの中央にタワーを配置。
人が座るソファの背もたれの向こう側が、猫の場所になっています。
家で言えば、リビングのソファやダイニングカウンターの延長に、猫の居場所をつくるイメージです。
キャットタワーを、後から置く「モノ」ではなく、最初から空間の一部として設計する。
設計段階から考えておけば、造作で家と一体につくることができます。
猫にとっても、好きな家を
猫が好きな場所には、ちゃんと理由があります。
暖かいから。見渡せるから。外が見えるから。囲まれて安心できるから。
その理由を読み解いて、家の形に置き換えていく。
人にとっても、猫にとっても「好きな家」。
今回の猫カフェ巡りで見たことを、これからの設計に活かしていきます。
