新着情報
News & Blogお客様が愛着を持てる庭へ。福岡エフェクトで考えたドライガーデン
福岡エフェクトで考えたドライガーデン
福岡探訪。
今回は福岡市西区にある、九州最大級の園芸店「フクオカエフェクト」へ行ってきました。
店内には草花の苗から観葉植物、多肉植物まで、さまざまな植物が並んでいます。
今回ここへ来た目的は、植物を買うためというより**「庭づくりのヒントを探すため」**。
現在、ロックガーデンや多肉植物が好きなお客様の家を計画しています。
前回訪れた北九州のN-Basementに続いて、今回はフクオカエフェクトへ。
しかも後からお客様に聞いてみると、ここも大好きなお店のひとつなのだとか。
たまたま自分が参考にしようと選んだ場所と、お客様の好きな場所が重なりました。

庭も「要素の組み合わせ」でできている
庭を設計するとき、植物だけを考えているわけではありません。
庭を大きく分解してみると、
床・植物・壁・建物・石・家具。
そして、それぞれに素材や色があります。
それらの関係によって、ひとつの空間がつくられています。
だから今回も、
「この植物がカッコいいから植えよう」
ではなく、
計画している建物と、お客様が好きな雰囲気と、植物をどう組み合わせれば一つの空間になるのか?
そんな視点でフクオカエフェクトを見て回りました。
ドライガーデンって、どんな庭?
今回計画しているのは、分類すると「ドライガーデン」。
ドライガーデンと聞くと、どんな庭を想像するでしょうか。
サボテンやアガベなどが植えられ、地面には石。
緑が生い茂る庭というより、どこか乾いた空気を感じる。
そんなイメージを持つ人が多いと思います。
ただ、それをそのまま住宅に持ってくればいいわけではありません。
「ドライガーデン」という型を、お客様の好みや建物に合わせて自分なりに解釈し直す。
そこが設計だと思っています。
今回のお家はアメリカンテイスト。
でも、無骨すぎるアメリカンでもなければ、いわゆるサーファーハウスのような西海岸風でもない。
もう少しシンプルで、品のある建物を計画しています。
では、その建物に似合うドライガーデンとは何なのか。

なぜ、この場所は心地いいのか?
屋外のドライガーデンを歩いていると、今回考えているイメージに近い場所がありました。
床には乱形石。
その周囲にはサボテンやアガベ、グラスツリー。
植物はただ地面に植えるのではなく、石積みで高さをつくった花壇の中にも配置されています。
個人的にも、すごく心地いい空間です。
では、
なぜ心地いいんだろう?
ここからが面白いところです。

「植物」だけでドライガーデンはできていない
まず感じたのが、床の力。
乱形石を広い範囲に使うことで、普段の住宅の庭とは違う非日常感が生まれています。
そして石積み。
平面的に植物を並べるだけではなく、石を積んで高さをつくり、その上に植物を配置する。
これだけでも空間に立体感が生まれます。
そこへアガベやサボテン、グラスツリーなど、形の異なる植物を組み合わせる。

さらに大きいのが、背の高いヤシの木。
これはあるのとないのとでは、空間の印象がかなり違います。
低い植物ばかりの中に、一本スッと高さのある植物が入ることで、視線が上へ伸びる。
同時に、一気に南国やリゾートを感じる空間になります。

植物以外の「ひと足し」
床を決める。
石を置く。
花壇をつくる。
好きな多肉植物を植える。
シンボルになるヤシを植える。
ここまででも十分ドライガーデンになります。
でも、フクオカエフェクトを見ていると、さらにもう一つ面白い要素があります。
看板や家具です。
例えば「CALIFORNIA 10」のサイン。
植物でも石でもありません。
でも、こういう小さな要素がひとつ入るだけで、空間にアメリカンな空気が加わります。
さらにパラソル、椅子、テーブル。
これらが入ると、庭が「見る場所」から**「そこで過ごす場所」**に変わります。

実は「植物の密度」も大切
もうひとつ感じたのが植物の密度。
これは数値で説明するのが難しく、かなり感覚的な部分です。
少なすぎると寂しい。
多すぎるとゴチャゴチャする。
同じ植物ばかりでも単調になる。
背の高さ、葉の大きさ、形、色。
それぞれ違う植物を使いながらも、全体としてまとまっている。
この**「足し算と引き算のバランス」**が、庭づくりではかなり重要だと感じます。

今回の庭に持ち帰りたいもの
今回フクオカエフェクトを歩いて、自分なりにドライガーデンを分解してみると、
乾いた印象の床をつくる。
外からの視線を抑えて、庭に没入できるようにする。
アガベやサボテンなど特徴的な植物を配置する。
高さのあるシンボルツリーを入れる。
石積みなどで高低差をつくる。
サインや家具をアクセントとして加える。
このあたりが一つのポイントになりそうです。
もちろん、そのままコピーするわけではありません。
今回設計している住宅の建物、色、素材、そしてお客様の好みに合わせて、必要なものを足して、必要のないものを引いていく。
そうやって、その家だけの庭に変換していきます。
庭は生活を少し豊かにしてくれる
庭は、家を建てるうえでは後回しになりやすい部分です。
でも、毎日窓から見える景色でもあります。
素材を選び、植物を選び、それぞれの組み合わせを考えることで、庭はかなり変わります。
毎日、自分の家の庭が、
好きな園芸店や、YouTubeや雑誌で見るような空間だったら。
家に帰るのが、少し楽しくなると思いませんか?
そんな庭を、今回の住宅でもつくれたらと思います。
