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News & Blog好きな空間を見に行く。そこから始める間取り提案
好きな空間を、実際に見に行く
現在、間取りをご提案しているお客様。
お話を聞いている中で、北九州にある「n-BASEMENT(エヌ・ベースメント)」のような雰囲気がお好きだということが分かりました。
それなら、実際に見に行ってみよう。
ということで、北九州まで足を運んできました。

間取りをご提案するとき、図面を描く前に、お客様が好きな場所へ実際に足を運ぶことがあります。
以前には「毎年、湯布院の決まった旅館に泊まる」というお客様がいらっしゃいました。
それだけ何度も訪れたくなるのなら、その旅館には、その方が心地よいと感じる何かがあるはず。
そのときも実際に湯布院まで行き、旅館に泊まりました。
建物そのものを真似するためではありません。
「この人は、この空間の何が好きなんだろう?」
それを自分なりに探すためです。
アメリカンとインダストリアル、その中に植物

n-BASEMENTの中に入ると、まず目に入るのが、たくさんの照明や雑貨、家具。
アメリカンな雰囲気の中に、古材やスチール、無骨な金物などが混ざっています。
新品できれいに揃えた空間とは少し違って、いろいろな物があるのに、それが不思議と一つの世界観になっています。

個人的に気になったのは、このあたり。
木、鉄、古い道具、工業的な棚。
一つひとつを見るとかなり無骨なのですが、木の温かさが入ることで冷たくなりすぎていません。
住宅でも、素材を一種類に揃えることより、
違う素材をどう組み合わせるか
で空間の雰囲気はかなり変わります。
外に出ると、また違う世界

店外をぐるり。
大きな倉庫の鉄骨や屋根をそのまま活かした空間に、ヤシやドライ系の植物、無機質な鉢、木の家具などが置かれています。
きれいに整えすぎていないところも、この場所の魅力なのだと思います。

今回のお客様は、ロックガーデンもお好きです。
そこで植物だけを見るのではなく、
「どうして、この植物がここにあると格好よく見えるんだろう?」
そんなことを考えながら見ていきました。
木の棚。
グレーや黒の無機質な鉢。
割栗石。
ヤシやアガベなどのドライな植物。
そこに、古い倉庫の鉄骨やコンクリート。
一つの物が格好いいというより、素材同士の組み合わせが空気をつくっているように感じます。
「乾いた感じ」と「秘密基地っぽさ」

店内と店外を歩きながら、今回のお客様がこの場所に惹かれる理由を考えていました。
アメリカンだから。
インダストリアルだから。
ドライガーデンがあるから。
もちろん、それもあると思います。
でも、それだけではなさそうです。
自分なりに感じたのは、
「乾いた感じ」と「秘密基地っぽさ」。
大きな倉庫の中に植物があり、鉄や木、コンクリートが混ざり、少し雑多で、つくり込みすぎていない。
この「整いすぎていない格好よさ」も、お客様が好きな空気感の一つなのではないかと思いました。
そして、なぜか亀もいる。

そんなことを考えながら歩いていると……
亀がいました。
しかも、結構でかい(笑)
植物の中を普通に歩いています。
こういう少し予想外なものが混ざっているところも、良い意味で期待を裏切るっていうのもありかなと。遊び心も大切です。
設計の参考に来たはずが、しばらく亀を見ていました。
建物を「主役」にしすぎない
今回見に来て、一つ方向性が見えてきました。
お客様が大好きなロックガーデンを、完成した建物の横にあとから置くのではなく、
建物と庭が最初から一緒にあるように考えたい。
建物そのものには存在感がある。
でも、庭ができたときには、その植物や石を引き立てる背景にもなる。
主役でもあり、背景でもある建物。
今回のお客様には、そんなバランスが合いそうです。
アメリカン、インダストリアル、カリフォルニアスタイル。
そういった「○○風」という言葉だけでまとめるのではなく、
木、鉄、石、植物、色、乾いた質感、少し秘密基地のような雰囲気。
そこに、お客様の生活スタイルや敷地条件、必要な間取りを掛け合わせていきます。
好きなものを、そのまま真似しない
「こんな感じが好きです」
と写真を見せてもらうことはよくあります。
そこから同じような家をつくることもできます。
でも、できればもう一歩考えたい。
なぜ、その空間が好きなのか。
開放感なのか。
素材なのか。
光なのか。
少し雑多な感じなのか。
植物との距離感なのか。
それとも、言葉では説明しにくい「空気」なのか。
そこを見つけられると、元の建物とはまったく違う形になっても、その人が「なんか好き」と感じる家に近づけると思っています。
今回もn-BASEMENTで感じたものと、お客様からこれまで聞いてきた暮らし方を掛け合わせながら、間取りを考えていきます。
さて、どんな家になるでしょうか。
